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リボちら 2018年 11月号


 一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥せ

●「火の用心」
 11月9日は「119番の日」です。今年も、11月9日〜15日の1週間は「秋の全国火災予防運動」が行われます。
 火災予防と言えば、「火の用心!」という標語が思い浮かびますが、この文言を始めて使ったのは、取手市台宿に墳墓がある「本多作左衛門重次(ほんださくざえもんしげつぐ)」だと言われています。

  

▲長禅寺三世堂の文化財消防訓練の様子。

●日本一簡潔な手紙

▲本願寺の境内に建つ石碑

 重次が、陣中から妻に宛てた手紙にこの一言が記されています。
 一筆啓上
 火の用心
 お仙泣かすな
 馬肥せ
 
 この手紙は、用件を簡潔明瞭に伝えた手紙の手本としても有名です。

●頑固兜
 重次は、徳川家康に仕え、数々の合戦に出陣して、多くの手柄を立てました。勇猛な武将「鬼作左」と呼ばれ、典型的な頑固者であったと伝えられています。
 合戦の際に、兜の左側に弾が命中しましたが、窪んだだけで大事に至らなかった事から、災難除け「頑固兜」として、多くの人から信仰されるようになりました。
●重次ゆかりの地、取手
 慶長元(一五九六)年、下総国の井野、現在の取手市で、重次はその生涯を閉じました。享年68歳でした。
 菩提寺である「本願寺」(取手市青柳)には、弾痕が残る兜をはじめ、重次の肖像画、家紋、旗印、甲冑、徳川家康から拝領した金団扇などが寺宝として保存されています。

 

 
▲本願寺に保存され居てる重次着用の武具。兜の左側面には弾丸跡がある。

【取材協力:本願寺(茨城県取手市青柳)、夢スタジオ ピン歩気



リボちら 2018年 11月号